日本の安全な水道水
自宅に飲み水が届くまでの道のり|配水って知ってる?
浄水場において人が飲んでも問題の無い状態になった水は、次に配水というプロセスを経て各家庭に届けられます。配水所を出た水は各地域に張り巡らされた配水管を通って各戸の給水管に届けられます。

配水のしくみ

配水の仕組みを解説!

皆さんは、配水という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
おそらくは、聞いたことの無いという方が圧倒的に多いと思います。
またその言葉は知っていても、それが一体どのようなものなのかを知っているという方はほとんどいないでしょう。
そこで、このページではそんな配水について、その仕組みについての説明を中心にして取り上げていきたいと思います。

 

配水とは何か

まず初めに、そもそも配水とは何なのかというところから触れていきます。
配水とは、浄水場に溜められている水を各戸(各家庭)にある給水管に送る作業のことを言います。
水に圧力を加え、それによって圧し出される水が配水管を通って各戸の給水管に届けられていきます。
その際、高台に位置する場所や浄水場から遠い場所などでは、水を圧し出す力を補うために配水ポンプが使用されることがあります。
また、水道使用量の増減に対応するために調節用の配水池が設けられることもあります。

 

水は配水所から各戸に届けられる

浄水場で綺麗になった水が送られてくる場所を配水所と言います。
配水所には大きく分けて2つの役割があります。

 

1つは、いつでも水道水として使用できる水を溜めておくという役割。
そしてもう1つは、浄水場から送らてきた水を配水管を通して各戸に送り届けるという役割です。

 

この内、前者については読んで字のごとくの内容ですので、ここでは後者の役割について説明したいと思います。
配水管とは、配水所に溜められている水を配水区域に送るために布設されている水道管のことを言います。
配水管は、全ての家庭に水を届けるために網の目状に張り巡らされており、これによって至る所で水道を引くことができるようになっています。
しかも、配水管が布設されているのは都市部だけではなく、また平地の場所だけでもありません。
人口の多さや地形の平坦さといった事に関係なく、あらゆる場所に隈なく布設されているのです(もちろん例外もある)。
これだけ至る所に配水管が張り巡らされている国は珍しく、日本だけでも地球の約3分の2周に当たる約27000kmの配水管が存在しています。
この配水管を通って、配水所の水はそれぞれの家庭に届けられています。
その流れを大まかに言えば、まず配水所から給水本管に水が流されます。
そして、この給水本管の水が区道や市道の境を分岐点として配水小管に流れていきます。
この配水小管に水が流れてきたら、後は各戸の給水管に届けられるのみとなります。

 

災害時の配水

ここまでの文章をお読みいただいた方はお分かりだと思いますが、配水というのは排水管が存在していることを前提としています。
そのため、災害時に配水管の機能が損なわれたり、あるいは全く失われた場合には、配水管を使わない配水を行う必要が出てきます。
具体的には、自治体や自衛隊が所有している給水車が出動し、水の不足している人や地域に対して水を配るという対応が取られます。
尚、こうした非常時の配水は平時の配水と区別して「給水」と呼ばれています。