水道水をそのまま飲める国は、世界で11~15カ国ほどだと言われています。
水道水を飲める国の数が曖昧なのは、一部で国土交通省は飲めるけど外務省は煮沸消毒が必要など異なる見解を出しているからです。
安全な日本人が安心して水道水を飲める国は限られていますが、現地の人が普通に水道水を飲んでいる地域は15カ国よりも多いです。
また、国全体で水道水を飲めるところは少なくても、特定の地域で水道設備が整っているケースが多数あります。
いずれにしても、海外を見れば水道水を飲むことができなかったり、水道が通っていなかったりする国と地域があるのは事実です。
こうした水道水を飲めない地域の人たちは一体どうやって生活しているのでしょうか?
海外では水道水は通っているけどシャワー、洗濯、炊事が中心で、飲み水はペットボトルの水を使っているケースが多いです。
日本人から見れば、飲み水を全てペットボトルで用意するのは、お金のかかる行為だと思いますよね?
日本全国で水道水が当たり前に飲める日本人の感覚だと、ペットボトルの水しか飲めないなら水道水を飲めるように整備すればいいと思うかもしれません。
しかし、日本と違って国土が広くて人口密度が低い地域の場合は、水道水を飲み水として使えるように整備するコストが大きい問題があります。
結果的に水道水を飲めるように整備して、さらにそれを維持する費用を考えれば、飲み水だけペットボトルにして輸送した方が総コストを安く抑えられるのです。
日本は人口密度が高く水源が豊富なので水道整備をしやすい環境ですが、海外は広大な土地がネックになっています。
ちなみに、日本の家庭用水を見ても、大半は入浴、トイレ、洗濯で使われていて飲み水として使われているのは、ごく一部です。
水道水を安心して飲めるのは便利ですが、飲み水だけペットボトルで用意する方法も理にかなった手段だと言えます。
このほか、一部の郊外では各家庭に雨水を活用した貯水タンクと家庭用ろ過装置を用意して飲み水を用意している地域もあります。
ランニングコストは安くても、家を建てる時は家庭独自の水道設備を確保するために1,000万円前後のコストがかかってしまいます。
ハワイの郊外によく見られるもので、水道がない所は電気も通っていないので自家発電装置が必要になるものです。
海外では都心部よりも自然に囲まれた郊外に家を建てる方が高くなってしまうケースも珍しくありません。
先進国では、水道が通っているか家庭に貯水タンクを用意していて、飲み水はペットボトルで対処する方法が主流です。
発展途上国になると水道設備がなく、各家庭に貯水タンクを用意することもできず、ペットボトルの水を買うお金がない家庭が多数あります。
人工的に作った安全な水が飲めなければ、ろ過がしっかりされていない地下水を貯めた井戸や川から水を運んでくる方法しかない地域もあります。
自然の水は衛生状態が悪いですが、普段から飲み慣れている人たちは免疫力がついて体調不調を起こしにくいです。
テレビのドキュメンタリー番組では、片道1時間かけて女性や子供が水を運ぶ様子を頻繁に紹介しています。
発展途上国でも地域によって環境は大きく変わりますが、私たち日本人が手軽に飲み水を確保できるのは、海外から見て非常に恵まれた環境です。